得物

殺陣で見かける得物の言葉をまとめてみようと思い立った。

あ行

■匕首(あいくち)
 合口とも書く。鍔の無い短刀のこと。
 懐に隠し持つ描写で使われる事が多い。

■アルミ刀
 模造刀のひとつで、刀身がアルミニウム製のもの。
 ジュラ刀よりも軽いが、刃が歪みやすい、個人的にはあまり好みでない。

■扇(おうぎ)
 あおいで風を起こす道具。
 リアルな殺陣ではなく、演舞・歌舞伎などで見る機会が多い。

■大太刀(おおたち・おおだち)
 野太刀(のだち、のたち)・背負い太刀とも言う。
 日本刀の一種で長大な打刀、および太刀のこと。


か行

■懐剣(かいけん)
 日本刀のうち短刀の拵(外装)の様式の一つ。
 護り刀(まもりがたな)・懐刀(ふところがたな)ともいう。
 懐に隠し持つ描写で使われる事が多い。

■鉤槍(かぎやり)
 柄の穂に近い場所に、柄と十文字になるよう鉄の細い棒を鉤状につけた槍。
 戦国時代もので登場するイメージが強い。


■刀(かたな)
 剣の中でも、片側にしか刃のない物。

■鎌(かま)
 草や芝を刈り取るのに用いる農具。
 忍者が使用しているイメージが強い。

■煙管(きせる)
 日本の喫煙具。
 リアルな殺陣ではなく、演舞・歌舞伎などで登場する事が多い。

■鎖鎌(くさりがま)
 草刈り鎌に鎖分銅を取付けた様な形をした武具。
 忍者が使用しているイメージが強い。

■くない
 忍者が使用した両刃の道具。
 斬る・投げるなど、使い方は様々。

■小太刀(こだち)
 太刀の一種で、刃長が二尺(約60センチ)前後の刀。

■小柄(こづか)
 日本刀の鞘の内側の溝に装着する小刀の柄。
 小刀そのものを指して言うこともある。
 飛び道具として使われる描写が多い。


さ行

■下緒(さげお)
 日本刀の鞘に装着して用いる紐。
 鉢巻・たすき・止血・拘束など、何でもありな紐。

■刺股(さすまた)
 相手の動きを封じ込める捕り物道具。
 「御用だ、御用だ!」でたまに登場する。

■鞘(さや)
 刀身を納めておく覆い。
 刀が折れた時や、二刀の内の一刀として使われる事がある。

■仕込み刀(しこみがたな)
 扇子や煙管、杖などの日用品に偽装してある隠し武器のひとつ。
 有名な作品は座頭市。

■十手(じって)
 江戸町奉行所の与力、同心に渡されていた捕り物道具。
 「御用だ、御用だ!」で登場する。

■竹刀(しない)
 剣術・剣道の稽古で防具に打突するための、竹で作られた日本刀の代替品。

■忍刀(しのびがたな)
 忍者刀(にんじゃとう)とも言う。
 忍者が使用したとされる刀。
 直刀・鍔は角張っている・下緒は通常より長い・鞘は艶消し・こじりは金属製などの特徴がある。


■小刀(しょうとう)
 小さな刀。または大刀に対しての脇差。

■ジュラ刀
 模造刀のひとつで、刀身がジュラルミン製のもの。
 立ち回りで使用されるより、寄りの絵(アップ)で撮影する際に使われる事が多い。

■手裏剣(しゅりけん)
 小形の刀剣・針様などの形状を持つ武器。
 忍者の定番。

■背旗(せばた)
 戦場で武士が背に差した小さい旗。
 殺陣の得物としては舞台での登場の方が多い。

■扇子(せんす)
 あおいで風を起こす道具。
 リアルな殺陣ではなく、演舞・歌舞伎などで登場する事が多い。

■袖搦(そでがらみ)
 江戸時代に使用された捕り物道具。
 「御用だ、御用だ!」でたまに登場する。


た行

■大刀(だいとう)
 日本刀の区分の呼称。いわゆる脇差を「小刀」と呼ぶことに対しての呼称。
 大刀と小刀を一揃いで同じ刀装にしたものを『大小拵え』と言う。

■竹光(たけみつ)
 竹を削ったものを刀身にして刀のように見せかけたもの。
 現在は、樫やカーボン製のものがある。
 殺陣では、刀身に銀紙を卵白で張り付けた物を使用する。

■太刀(たち)
 日本刀の中で刃長がおおむね2尺(約60cm)以上、太刀緒を用いて腰から下げる。

■短筒(たんづつ)
 懐鉄砲(ふところでっぽう)とも言う。
 丈の短い鉄砲。

■短刀(たんとう)
 長さ一尺(約30.3cm)以下の刀の総称。

■直刀(ちょくとう)
 刀の中でも刀身に反りのない真っ直ぐな形のもの。

■杖(つえ)
 歩行を補助する細長い棒。

■突棒(つくぼう)
 江戸時代に使用された捕り物道具。
 「御用だ、御用だ!」でたまに登場する。

■戸板(といた)
 雨戸の板。
 歌舞伎でたまに登場する。

■捕縄(とりなわ)
 相手を縄で捕縛・緊縛する縄。
 歌舞伎でたまに登場する。


な行

■長巻(ながまき)
 刀剣の一種で、大太刀(おおだち)から発展した武具。
 個人的には登場したのを見た記憶はない・・・

■長物(ながもの)
 棒・槍・薙刀などの長い武器の総称。

■薙刀(なぎなた)
 日本の長柄武器の一種で、平安時代に登場した武具。
 女性たちがたすきをかけて登場する描写が多い。

■日本刀(にほんとう)
 日本固有の鍛冶製法によって作られた刀類の総称。

■忍者刀(にんじゃとう)
 忍者が使用したとされる刀。


は行

■白扇(はくせん)
 白地のおうぎ。

■梯子(はしご)
 昇降のための道具。
 歌舞伎でたまに登場する。

■ハリセン
  漫才などの小道具として作られた大きな紙の扇。
 時代劇には登場しないが、つい・・・

■番傘(ばんがさ)
 竹骨に紙を張り油をひいた雨傘。

■火縄銃(ひなわじゅう)
 火縄が発射薬に接して点火する銃。

■吹き矢(ふきや)
 中空の筒と針が付いた矢で狩猟に用いる飛び道具。
 忍者が使用しているイメージが強い。

■棒(ぼう)
 一般的には六尺棒を指す事が多い。

■木刀(ぼくとう)
 樫などの硬い木で作られた日本刀の代替品。
 殺陣の稽古で主に使用し、武術の流派によって様々な大きさ形のものがある。

■本差(ほんざし)
 主兵装としての帯に差した日本刀。


ま行

■撒菱(まきびし)
 忍者が用いる道具。
 逃げるシーンでしか登場しない。

■模造刀(もぞうとう)
 模擬刀(もぎとう)とも言う。
 日本刀を模して作成された用具。


や行

■槍(やり)
 刺突を主目的とする武具。

■弓矢(ゆみや)
 弓と矢からなる武具。


ら行

■六尺棒(ろくしゃくぼう)
 樫材で作った、六尺(約180cm)の棒。

■ラバー刀
 模造刀のひとつで、刀身がゴム製のもの。
 ヒーローたちが愛用。


わ行

■脇差(わきざし)
 日本刀の大小拵えの小刀(しょうとう)を言うことが多い。
 本差(ほんざし)が使えない時に使用される予備の武器。

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