独断分析 vol.23
動画その31
https://twitter.com/li_21_6/status/1231791076098240512
分類:殺陣
独断分析 vol.21で短い手でもまだまだ改善の余地がある動画について書いたが、この動画はこのクオリティーで充分通用すると思う。
自己評価で「スピードが足りない」と書かれているが、決してスピードが遅い訳ではない。
単純に早くやれば「凄い」というわけでもない。
では順に見ていこう。
1手目の絡み。抜刀からの水平斬り、芯の避けを確認してもう少しギリを攻めれたら素晴らしい。
2手目の絡み。こちらも抜刀からの水平斬りだが、芯が既にしゃがんでいるため、この斬り方にリアリティーが無い。抜刀して真向に行く前に胴切りされた方が、芯が速さで勝った表現ができる。そして絡みはすぐに後ろにさがっているが、カメラアングルからするに、どうしても胴切りが当たっていない感が出てしまう。
殺陣の見せ方としては胴切りの刀が通った後に、刀の軌道に一度入り込んでからさがれば、リアリティーが増す。
3手目の袈裟切り。絡みはとてもいい位置に入っている。
4手目の柳。絡みが棒立ちに見える。すかされて体制を少しでも崩すと、芯の捌きが映える。
5手目の真向。しっかり絡みを切ったように見えている。
カメラアングル含め、良い立ち回りに見える。
さて、ここから、UP主の言う「スピード」について、改善する部分がある。
2手目から3手目に繋がる部分だ。
2手目の胴切りの刀が、3手目への反転を意識して刀を振り過ぎている。
切っ先は、3手目の絡みの方へ伸びた後、刀を返している。ここが不要な部分だ。
胴切りで絡みを切り終わりからすぐ、刀を返しながら反転すれば、素早く3手目の絡みを切れる。
テンポを考える。この動画の芯のリズムの拍を「*」として表すと、下記の1行目の様に6拍で終わる。
行動を2行目に頭文字だけで当ててみる。
3行目は斬る部分に「斬」を入れる
* * * * * *
避 胴 返 袈 柳 真
* 斬 * 斬 * 斬
どうだろうか、結果、単調な立ち回りに見えるのは、このリズムにある。単調だから、早い立ち回りをしていてもどこか物足りなく感じる。刀の早さが原因と誤認してしまったのではないだろうか。
これに改善部分を採用してみる。
* * * * * *
避 胴 袈 柳 真
* 斬 斬 * 斬
殺陣が5拍で終わるのだ。刀を返す時間が省け、しかも斬るリズムも変わる。単調ではない早い立ち回りとなるのだ。
ぜひ試してもらいたい。
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