独断分析 vol.12

動画その16
https://www.youtube.com/watch?v=RuHAsdr_Cp4


分類:殺陣2.5
今回の団体さん、お二人は殺陣師だそうです。
あ、昨日も「役者&殺陣師」シリーズだったか・・・
昨日は教室を運営されている所で、今回はフリーの役者さんなので、少し違うか。

分類を殺陣2.5にしたのは、立ち回りのどこを取っても中途半端だからだ。立ち回りの意図が不明で、所作は現代と時代が混ざった感じ。刀の振り方は2.5次元舞台に見られる特徴が多い。総合的に殺陣の技術がまだ発展途上なのかとも感じる。

さて見ていこう。
全体を通して、先日語った「メトロノーム」だ。比較的素早い立ち回りをしているが、素早いが故に、単調になる。緩急をつければ、素早い立ち回りがより際立つが、こうなってしまうと、刀を振り回しているだけとなる。
最初に左側に立っている方は、独りよがりの立ち回りが目立つ。相手の動きを無視して刀を振っている。右側の方は左側の方に合わせるのに必死なのかボロボロだ。

では手を順を追ってみよう。
1手目と2手目の「突き」はどこを突いているのか。殺陣の初手はとても重要だ。空気が変わる瞬間なのだ。初手からお粗末なものを見せられては、見る気が失せる。

3手目、袈裟を「飛ばし」か「跳ね上げ」か不明。原因は芯の捌き方だ。絡みは跳ね上げられた動作をしているのに、芯は自身の後ろに「飛ばす」ように捌いている。

4手目、真向を「擦り流し」。この真向も誰もいない場所を切っている。ただ通り過ぎるだけの真向。何の意味もない。


5手目、横面を「落とし」。横面が来る前に落としている。刀を振ろうとしている時、まだ刀が出てきていないのに、自分のペースで落とす。独りよがりが目立つ。

6手目、「横面」を受け。横面の刀がブレる。片手であることと「点」の相違が原因。

とまあ、ここまで見れば、もうお腹いっぱいだ。この立ち回りを見て、何も感じないのが全てだと考える。

茶色の服の方は、最初、片手持ちだった刀を、両手に変えたりしているが、その根拠が立ち回りからは見出せない。また芯としても絡みを待てないのは、未熟か自分勝手すぎるからに他ならない。

刀の危ない扱い方としては、以下の2点だ。
動画8秒~抜き胴から返して真向。の返し方だ。相手側に刀をクルッと回している切っ先。
動画15秒~回転避けからの返して斬首。の返し方だ。上記と同様に切っ先が相手側へ。

「カッコイイ」とコメントに書かれているが「カッコイイ」だけ良いなら、殺陣を習っていれば、およそ誰にでもできる。役者として殺陣そして刀と向き合っていただきたい。

団体内での手付に異議を唱える気はさらさらないが、結果「殺陣師」ではない。

殺陣についてアレコレ吐き出す