独断分析 vol.8
動画その12
https://www.youtube.com/watch?v=zEmGm_sUxtY
分類:殺陣
大学の部会だそうです。「演劇」はよく聞くが、こちらは「殺陣」だそうだ。
動画全体として、3つの立ち回りがある。
どれもクオリティーは高くないが、自分たちで殺陣を作り上げるモチベーションはとても素晴らしく若い力を感じる。これまでに当ブログで11の動画を見てきたが、この学生たちにもおよばないものがあるのは、残念で仕方ない。お金儲けでも人気集めでもなく、「好き」だけでも、ここまでのモノが作れるのだ。
さて語っていこう。
1つ目はお笑いでいう「つかみ」だろう。
殺陣として評価するには到底不可能は内容ではあるが、学生の「つかみ」に真剣に噛みつく気はないので多々スルーする。この動画全体の3つの立ち回りを見て思うに、この立ち回りはもっとコメディカルに立ち回った方が、後に続く2つが映えるのではないか。
いや、音楽しかりコメディカルに立ち回っている風に見せてくれてはいるが、立ち回りに多少リアルを追求している感が伝わる。声がけも切られた時の声すらコメディー感を出せば、観客も笑顔になりやすいと思う。中途半端より「突き抜ける」方が見やすいと思う。
2つ目の立ち回り、眠たく面倒くさそうな演技で立ち回る芯。この芯は「とても強い」設定なのだろうと思う。そして立ち回り自体は当ブログでいうところの「殺陣2.5」で見せたいのではないかとも感じる。しかし全てが「面倒くさい」で流れると、切られ役がとてもかわいそうに思えて仕方ない。切る時はバシッと決める。このメリハリが芯の強さをより際立たせ、観客の目を引くと思う。「緊張と緩和」だ。
「殺陣サークル」だから刀を振るだけ。ではなく殺陣本来の「なぜ刀を抜くのか」をもっと想像すれば、自ずと芝居がついて来ないだろうか。
3つ目の立ち回り、「歌舞伎」の色を出したいのであろう。まず着流しでの立ち回りはとても難しい。「歌舞伎」そして「着流し」と、とても難しいテーマを二つも抱えている。
しかし、ここで1つ改めるだけで、見栄えが全く変わってくる事がある。
それは芯の顔だ。
不細工とかイケメンという事ではなく。顔の角度だ。
全体を通して顔がうつむいている。この立ち回りの内容であれば、しっかりと前を見据える。それだけで全然違う立ち回りに見える。
1.前半の払いからの間の部分
2.傘で全員を追っ払った間の部分
3.傘から刀に持ち替えて一人目を切った部分
4.下馬で見得をきる部分
この4つについては、首を左右に振ることもなく、真っすぐ客席側を見据えるだけで立ち回り全体の映え具合は違ってくる。
この動画を見た印象は1つ目は「ちゃらけた殺陣」2つ目と3つ目は「殺陣」という印象になるだろうが、上記にように、しっかりと色を付けていけば、全て違った殺陣に見え、見てる人も「殺陣」って色々あるんだな~と思って貰えるに違いない。
今後も楽しく励んでいただきたい。
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