独断分析 vol.34
動画その47
https://twitter.com/HighCard2018/status/1238824877764702208
分類:伸び代
ワークショップを開催しているパフォーマンス団体だそうです。
いやはや、度し難い・・・
立ち回りしているのは、参加者なのかもしれないが、この団体さんのUPしている動画はどれを見ても、殺陣の基本が見えず、危険で、見栄えすら良くもない。
笑いが絶えないWSだそうだが、あきれ笑いではなかろうか。
参加者の実力について語っても仕方がないので、団体側を考える方向で毒舌しよう。
1・2手目、胴斬り2回。切られ役の両手が危険。斬られる時には、怪我をしないように刀を通すラインに刀や腕などがない様にするのが基本中の基本だ。
6・7手目、胴斬り2回。上記と同様。
9・10手目、胴斬り2回。上記と同様。
というように、絡みの刀や腕がとても危険だ。これでは芯も安心して斬れない。他の動画でも見受けられるため、このWSでは、この危険について教えていないのだろう。
この点だけ見ても殺陣とは言い難い代物だ。
次の手付だ。
3手目、抜き胴を回転して避け。離合しながらのこの手は、芯を斬ったように見えてしまうので殺陣師がこういう手を付ける事は少ないと考えられる。回転して避けたいなら、突きが妥当ではないだろうか。とはいえ、初心者に回転を意識させる体捌きは難易度が高い。まずは、回転を意識させる動作がない手付をすべきだ。
5手目、袈裟を避ける。立ち回りを行っているのが経験者とするなら、4手目の回転避けの後、絡み全員がいる方向(画面右)を向くはずだ。その時、刀は芯の右手側にある可能性が非常に高い。動画の5手目の絡みの方に刀がある事になるという事だ。その状況で、この絡みが斬りかかるリスクは高い。隙をつくならば、芯の左側にいる絡みが斬りかかる方が理にかなっている。
8手目、逆袈裟を避ける。芯が前足を引いて後ろ側へ反転しているが、これも初心者には回転を意識させてしまう動きだ。動画を見て分かるように、コンパスの如く「よっこいしょ」といった感じの腰が安定しない動きとなってしまっているのが何よりの証拠だ。この手も芯が絡みを斬ったように見えてしまう事がある、また刀が絡みに当たってしまう可能性もあるため、事前にしっかり説明しておくべきだ。
というように、立ち回りの組み立てについても、参加者の力量を測ることなく、自己満足で手付したように思えて仕方ない。
参加者だってバカではない。真剣に取り組んでいれば、色んな疑問が沸いて、疑問について考えるのだ。その時に、この様なお粗末な殺陣付けを「正解」の一つとして経験・認識させるのはとても良くない事だ。
楽しく殺陣を勉強するのはとても良い事だと思うが、真剣に立ち回らなければ怪我をする。
参加者の笑顔が、怪我で歪まない事を切に願う。
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