独断分析 vol.33
動画その46
https://twitter.com/sirooni_hannya/status/1234140586916990976
分類:殺陣
UP主さん(芯)は14歳との事、まだまだ成長できるので頑張って欲しい。
殺陣の稽古をする中で、手付を行い、手の確認、動作の確認、ゆっくり練習などの後、稽古だが「本番」として行う。この「本番」として行う事が殺陣としての成果物だが、この動画はまだ「本番」としては未成熟だ。
さて始めよう。
1手目、擦り流し。芯の捌き方が危険だ。自分の顔の前に刀身がある。絡みの刀がこの刀身に当たった時、自分の刀が自分の顔を強打する可能性がある。
刀身が自分の頭より上に来るように捌く。とかく捌き方で一番危ないのは、この「擦り流し」だ。刀が縦に抑え込まれても、横に弾かれても、自分に当たらない所に刀を出すべきだ。絡みはどこを通っているやら。嘘にしてもドン引きする間合いだ。
2手目、足払い。動画を見る限り、絡みから先に斬りかかっている。しかし、絡みは逆袈裟を使って、芯の横を通りすぎる前提の動線だ。斬る気が見えない。絡みが先に斬りかかるのであれば、芯が避けながら足払いをするのが正解だ。もし芯からの足払いが先であれば、動画のような動きでもギリギリ成立しそうではある。
3~4手目、真向。タイミングも合わなければ、絡み合わせ方も見るに堪えない。足を動かさない絡みは文字通り「役に立たない」。芯の態勢や立ち位置を見極め、芯が立ち回りやすい所へ動く事が大事だ。
5手目、絡みが間に割って入る。綺麗に間に入っているので、こういう手なのだろうが、絡みが間に割って入ったところで、一瞬止まっている。これでは芯に斬られてもおかしくない。
割って入った後、斬りかかろうとするならまだ良いが、何事もない様にそのまま流れる。しかも次の芯の動きが分かっている為、画面左へ振り向く。本来なら、割って入った時に芯は画面右にいるのだから、絡みの振り返りも右へすべきだ。
6手目、抜き胴。ここも2手目と同様だ。しかもこの絡みの刀の振り始めがとても遅い。また芯は胴ではなく足を切ったように見える。抜き胴あるあるだ。早く刀を振りたいがために、胴の高さを刀が通らないのだ。結果、刃筋も立たない。
7手目、払い・・・だろうか。手を忘れて途中から刀を出したように見える。
8~9手目、水平斬り2回。1回目は絡みが首だけ避けるリアクションをしている。となれば1回目の水平斬りは合わない。斬り上げの方が合うだろうか。芯の中途半端な水平の角度が正解だとするなら、この実力の芯にこの微妙な角度の斬り方を手付するのは、まだ早い気もする。
10手目、真向。やっと芯と絡みが合った。
11手目、擦り流し。この時の足運びが手付通りか、絡みの位置が手付通りかの判断が難しいが、どちらかが合っていないため、次の手に影響する。
12手目、袈裟切り。腰を無理に捻って斬っている。この手に良く見る動きとしては、腰を左右180度の捻りに合わせて膝がそれぞれに広がるように斬る。腰で斬るというような動きだが、そうすると絡みの立ち位置が合わない。芯が擦り流しの際に、後ろの絡み側に足を出せば綺麗に斬れると判断する。
13手目、胴斬り。上記の腰で斬る動作を手付で言われているのだろう。足を動かさずその場で斬っていることからうかがえる。
芯の立ち位置の確認と、絡みの芯を見ながらの動きが足りていない。そして手付自体も芯の隙をついているようには組み立てられていない。
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