独断分析 vol.28

動画その39
https://twitter.com/Greg_rockNstorm/status/1236792832939003905


分類:殺陣
芯の方が手付をされたようです。殺陣の経験を積んでいくと、自分で手付して稽古する機会も増えてくるが、稽古だからこそ、短い手でも良いので一手一手を明確に表現する殺陣にして、芯も絡みも勉強になるようにすべきだ。この動画はどうだろうか。

1手目の受け。良い。芯の背中に隙が出来るため、2手目の絡みが斬りかかる。
2手目の飛ばしと避けを同時に。良い手付だと判断する。が、飛ばされた絡みが、自分のポジションに入るまで、芯を見ていない。
そしてまだ斬りかかっていない3人目は、自分の順番を待っているだけ。逆八相に構えていたのに、自分の順番が回ってきてから動き出す・・・つけ回しをしよう。

3手目追っ払い。この刀の振り具合を明確にすべきだ。
目線は左の絡みに向いているが、刀は全員へ向かって払っているように見える。刀を振り過ぎでいる。その為、4手目の絡みが斬りかかってくるには無理がある。ここは左の絡みだけ追っ払うように刀の振り具合を調整すべきだ。

4手目の牽制。見得を切るような牽制だ。この芯は強い。という表現になるため、牽制相手に進み出るのも良い。

5手目6手目の追っ払い。良い。どれも隙をつくような手となっている。
7手目の掴みから抑え込み。相手の間合いに入り込んでいる。良い。がここも絡みが抑えこまれて「痛い?」表現に見える、抑え込まれないように抵抗する芝居なら納得するが・・・

8手目の二刀受け。絡みを見て「待ってました」とばかりに受ける・・・これは、リアルでもなければ歌舞伎的な表現にも見えない。

9手目の飛ばし。こんなに軽く飛ばされるなら、絡みは女性より非力ではないか。
耐える芝居・弾く芝居が不明確だ。

10手目胴切り。当て斬りで、印象を付けたかったのか、一度止まっている。周りにまだ無傷の絡みが居るにも関わらず、ここを止めて見せたいなら、余計に先程の飛ばしを明確にしておくべきだ。

11手目受け、12手目流し。二刀になってからいきなりクオリティーが下がる。腰は高くなりただ刀を前に出しただけ。二刀の捌き方を勉強すべきだ。

13手目の逆袈裟。14手目の受け。とても無理のある手だ。この手はいただけない。
受けは相当、腕の角度に無理がある。両手で打ってきた刀に対し、片手でしかもこの受け方はあり得ないと理解すべきだ。

15手目の横面受け。絡みは芯の後方にいたのに、あえて横から刀を出す意味がない。芯の立つ角度が悪かったか、絡みの動きが悪かったのか、無理にカメラを意識したのか。何にせよリアリティーが消える。

16手目の二人を飛ばし。全てを一挙動でしたことにより、変に体が歪む。一挙動で捌くなら体の動かし方を整理すべきだ。

17手目の袈裟斬り。距離的に一歩さがるのではなく、一歩進むべきだ。

18手目の牽制。絡みが止まってから牽制をしている、絡みが牽制までの間を埋めれば程よく牽制できたのではないか。絡みがもう少し待っておくべきだ。

19手目の受け、20手目の柄頭での当身、21手目の首斬り。良い。

やはり全体的に足が動かない。絡みが芯を見ない。の2点が大きな課題だ。
二刀はまだまだ実力不足だ。

この動画の下に、もう一つ、違う方が芯をしている動画がある。

こちらの芯の方は、上の動画の方より動ける人だが、やはり二刀になった途端、クオリティーが下がる。手付事態があまり良く無いのは明白だが、捌き方はもう少し整理できるはずだ。また、この動画の絡みはタイミングが悪すぎる。芯が動き回って殺陣を調律している感じだ。何のための絡みか考えてほしい。

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