殺陣・技斗
テレビや映画、舞台やショーなど、殺陣を見る機会に、「殺陣します」みたいな主張をしているモノについて、常に感じる事。
殺陣には、ザックリ区別すると、時代劇に見られる、いわゆるチャンバラと称されるものと、現代劇に見られる技斗、いわゆる現代殺陣の2種類があると考えている。
ヒーローものが行うものは後者だ。
当ブログでは、この2種類を今後、以下の様に区別して書こうと思う。
■殺陣・・・時代劇 動画リンク
■技斗・・・現代劇 動画リンク
※1対1の動画を探してみた↑動画リンクを参照
この2種類は、何が違うのか。
一番は身体の使い方、所作であることに違いない。
時代劇は、その時代の所作が体の使い方のベースになる。イメージ的に分かりやすいのは、武術や武道ではないだろうか。相手に正対して、無駄のない直線的運動にて最大の効果を生む。正拳突きのイメージ。
対して、
現代劇は、現代スポーツに見られる「ひねり」によって最大の効果を生む。ボクシングのストレートパンチのイメージ。
とはいえ、どちらも芝居、演技である事には違いはなく、形式にとらわれない表現もまた正しいとも言える。
この芝居・演技が正しいとも言える事が、巷で乱用され「殺陣」を歪めてきていると思うのだ。
ここで、当ブログで私が鬱憤を吐き出したい事は、刀を振っていれば「殺陣」という歪みきった認識が横行しているのではないかという所にある。
殺陣に関する教室や道場、団体やワークショップなど、様々な企業や団体が行っている。とても素晴らしい企業や団体がある事は言うまでもないのだが、見るに堪えない所も多々存在する。
これはどんな業界にもある事だと思うが、ネットが一般的に普及している今、興味を持った人が、ネット検索して情報を得ようとした際、のっけから「アカン」所に足を踏み入れる可能性がある。そして、こと殺陣においては、見るに堪えない所ほど、ドヤ顔で「殺陣」してます!と息巻いて闊歩する所が多いと実感して止まない。これが殺陣の質、延いては殺陣の文化も劣化させるとも思うのだ。
芝居や演技という言い訳で、ただただ刀を振るのではなく、基本をしっかり作り、その上で演技を加えてほしいものだ。
殺陣のグレーゾーン。
「刀を振っている」を殺陣という、私からすれば完全にブラックな領域。
本格イタリアンレストランと言いながら、出来合いの冷凍食品を解凍して提供しているくらいのブラックだ。
このグレーゾーンを今後は掘り下げたいと思う。
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