「続続・お芝居」を考える
ここ数年「エンタメ殺陣」という単語を聞く機会が増えた。
なんぞや?? 殺陣とはそもそもエンターテインメントなのだが。
殺陣を武術か何と間違っていはいないだろうか?
という事で、エンタメ殺陣なる動画を探す。
https://twitter.com/yuheiabe/status/1332964151086313472
ヒットした中で、頭に描いているであろう想像がたやすい典型的なものを選んでみた。
言いたいところは2.5次元の作品に見られるような戦いのシーン。
当ブログで名づけたところの殺陣2.5に集約されるそれではないだろうか。
ただし、足は動かず、上半身だけで手をこなし、感情が伝わらないほどに刀を振り回すが危機感は微塵も感じないのが特徴で、自分に酔いしれないといけないという要らぬ副産物が定着している。
「世間から需要があればそれでいいか」と投げやり的感想となる。
中国の武術大会に見られる
https://www.youtube.com/watch?v=DrvsisEt9hs
ここまでくれば、素晴らしいと思う。
が、それでもない中途半端な路線を攻めたカテゴリーとして「エンタメ殺陣」と使われている。実践している年代に若年層が多いためか、漫画やアニメに見られる戦いを真似た程度のじゃれ合いになり下がっているようにしか見えず、これは殺陣もしくは所作の基本を知ろうともせず、見よう見まねで今日まできている素人が大半を占めるからだろうと推測する。
殺陣というものに興味を持ってくれている事に関しては大いに頑張って欲しいと思うが、意識のベクトルを間違えたか。やりたい事だけやって、所作や殺陣の基本は興味がないからやらないという選択をしたのだろうとしか思えない。
良く言えば芸術作品なのだろう。
だから「エンタメ殺陣」なるものは現時点でお芝居ではないため「殺陣」でもない事になる。
このエンタメ殺陣なるものを昇華させ、殺陣の一つとなれるよう切磋琢磨して頂きたいし、そうなれば殺陣の新たな表現が広がるのではと期待する。
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