「初心者からの脱却」を考える

殺陣を見ていると、初手で「初心者」か「経験者」かが分かるようになってくる。
この初心者という枠組みには、初心者と同程度の技術しか習得していない経験者も含む。

では、なぜ初心者に見えるのか?という事に対して役者は真剣に考えて欲しい所だ。
殺陣とは芝居。芝居とは人に見せるもの。
人に見せるものなのに、初心者程度にしか見えない殺陣を見せる事しかできない実力。
はたして役者なのだろうか?とならないだろうか。

この初心者程度の実力しかない人には、これから語る事を意識して臨んでほしい。
とはいえ、当ブログの「語る」カテゴリーを読破してもらえば、初心者に見える殺陣などできようはずもないのだが。

●●●無駄足を踏まない●●●
「足運び」を考える
も読んでいただきたいが、意味の無い足運びは動きを鈍らせ、足がただバタついて見え、殺陣としてみても弱く見える。役作りとして足をバタつかせる芝居はOKだが、バタついてでしか殺陣ができないのは初心者あるあるだ。
無駄足を踏まずに立ち回れる人は、足をバタつかせても初心者には見えない。

●●●上半身で芝居しない●●●
当ブログでは、腰を入れる事を基本に最初から語っているが、足運びがままならないために、上半身で芝居しようと、無理な体制を取る初心者が多い。足運びを身につければ、上半身を無理に動かさなくとも芝居ができる。上半身より下半身を鍛えよう。

●●●切っ先を走らせる●●●
「振り方」を考える
も読んでいただきたいが、切っ先が走らないと、竹光を振っているにも関わらず、棒を振っているように見えるのだ。
切っ先を意識して、斬る時のインパクトや刃筋、風切り音など色々と自己評価できる事はあるので、意識して刀を振ろう。

●●●刀を大振りしない●●●
刀を大振りすると、多くの隙を作る。次の手に間に合わない。他人に怪我させる。など、初心者の大振りほど怖いものはない。一振り一振りが芝居だ、刀がどう動いているか自覚できるようになろう。

●●●刀を迎えに行かない●●●
「攻守」を考える
も読んでいただきたいが、刀を合わせようとするあまり、常に刀が前にでる行為だ。刀を合わせる以上に、見る人にどう見せるかの方が重要だ。こういう人は常に足が前に出る。足運びについてもっと追求してほしい。

●●●かけ声をだす●●●
恥ずかしいのか、声が出ない人を見かける。役者たるもの、声を出さずに何を表現するのだろうか。精一杯声を出そう。

語り出すと、まだまだあるが、上記の項目くらいは、身につけないと初心者からの脱却が不可能だ。