独断分析 vol.50
動画その69
https://twitter.com/samurai_theater/status/1302551036037480449
https://twitter.com/yamada9079/status/1302342880426520576
分類:殺陣
同じ殺陣をしている動画です。
今回は何が違うか見て行こう。
総合的に判断すると、上の動画の方がお上手です。
一番の違いは、演技をしているか否かだ。
上の動画の芯は、役を作って殺陣をしているように見受けられるが、下の動画の芯は、ただ刀を振っているだけに見えてしまう。
では、なぜそう見えるのか。
危機感や緊張感が所作から感じられない、刀にキレがない。
具体的には、どういうところか。
初手の抜刀、峰で絡みの抜刀を制する場面からだ。
上の動画の芯は、素早く絡みに抜刀させないように抜刀しているが、下の動画の芯は制する気迫が見受けられない。
極論としては、どちらも絡みが斬ろうとしたなら、芯が斬られるかもしれないタイミングではあるが、芯の芝居によって成立しているように見せる事は十分可能だ。
この初手さえ見れば、その後は見なくても、およそ想像できてしまう。殺陣は初手が大事なのだ。
そして、目線だ。上の動画の芯は、時折、絡みの動きに対して視線を使っているが、下の動画にはない。全て段取り芝居となってしまっている。
最後に刀のキレだ。上の動画の芯は、斬る時の刀にインパクトがあり、刀のどこで斬っているかが、まだ想像できる。下の動画の芯は、刀で絡みを撫でているだけだ。斬る表現が出来ていないという事になる。
この実力の差は、とても少ないかもしれないが、下の動画の芯が上の動画の芯のようになるには相当な時間の練習が必要だ。
色々な動画をみていると、刀を振っている事が殺陣と誤認している方が多いが、殺陣は芝居だ。そういう意味では、下の動画の芯は「殺陣」をしていないという事になる。
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