独断分析 vol.37

動画その51
https://www.youtube.com/watch?v=pdrCXSOOwfM


分類:殺陣
ワークショップの動画。初級クラスの稽古内容を抜粋との事。
絡みの方は、この教室の講師をしているようです。

ざっくり30手ほどあると思うが、初級から30手というのは、ハードルが高すぎやしないか。
ともあれ見ていこう。

1手目の前に、背中合わせから始まる初級とは。この殺陣も抜粋だから途中からだと想定しておくべきか。しかしそうなると、30手を超える殺陣。初級・・・
抜刀から納刀までの殺陣を初級とやらに合わせて動画を作成してはどうか。

1手目、刀を振り合って・・・何がしたい。刀が合わさるなら、まだしも、ただ間合いをお互いみたのか? 意味が分からない手が1手目から繰り出される。また、芯の振り返る方向はセオリーなら範時計まわりだと思うが、あえての逆なのだろうか。しかし、真が時計回りで逆袈裟。次の手も逆袈裟で打ち合いとなるとかなりやりにくいが、それでも初級なのか。

2~3手目、打ち合いから鍔迫り合い。良い。
4手目、足払いと逆袈裟。足払いを避けているのは、タイミングが違えど良しとして、絡みの逆袈裟は、芯が避けたようにも見えない。取りあえず振ったのか。意味の無い手は付けない方がよい。特に初級であるのなら・・・

5~6手目、打ち合い2回。足も動いてなければ、間合いも酷い。動画の距離感で刀を振っても相手に届かないのは明白。無意味な手だ。
7手目、絡みが芯の刀を弾く。この手は「次に攻めたい」が為の捌きであると思うが。。。
8手目、お互い刀を振って間合いを取る。7手目の弾きが無意味となる。

9~11手目、上下上で打ち合い。この手も足も動いてなければ、間合いも酷い。
12~13手目、弾きから突き。この動きがセオリーだろう。相手の刀を捌いたのだから、攻めれる隙をつきやすい。やっと無意味でない手が現れた。とは言え、突きが高過ぎないか。

13手目、突きを落とされる。
14手目、斬り上げ。13手目の突き落としが無意味となる。芯の方が強く見せたいならば、絡みは、突きを落とした後「斬りかかろうとするが、芯の斬り上げの方が早く、避けざるを得ない」という芝居をするべきだ。

15手目、袈裟切りを避け。16手目、足払いを避け。良い。
16手目、打ち合い。良い。
17手目、絡みが芯の刀を弾く。
18手目、突き。これまた弾かれた(劣勢)にも関わらず、攻める。これが初級にさせる手か・・・17手目の弾きが無意味。

19手目、絡みが鍔で芯の刀を飛ばす。
20手目、袈裟を受けられる。またもや19手目が無意味。飛ばして回転まで見せたのなら、絡みは攻めるための回転ではないだろうか。攻めれるか分からない状態で回転など隙を作る動作は自殺行為だ。芯も刀を自身の左に飛ばされたのに、わざわざ右へ振りかぶって袈裟を打っている。この動きのぎこちなさは見るに堪えない。

21手目、袈裟を受け。
22手目、押し合い+カメラ回転。スルー・・・
23手目、擦り流し。絡みはどこへ斬りかかっているやら・・・擦り流しにしても酷い。
24手目、打ち合い。
25手目、鍔迫り合いから回転。
26手目、弾き。どちらがどう弾いたのか不明。
27~28手目、抜き胴から袈裟斬り。最後のカメラアングルはとても戴けない。絡みの顔を追ったのか、芯の顔が見切れる。

全体を通して二人の足が動かない。初級の殺陣というのだから絡みである講師は、しっかりと足を動かしてほしいものだ。

さて、とても酷い内容に目を疑ってしまうが、何より殺陣付けが酷すぎる。一手一手に何の根拠もなく、攻守の区別もない打ち合いばかり。最終的に斬る部分は、画角を小さくし細かいボロが見えないように配慮したようにしか思えない。

このワークショップの代表が殺陣師・アクション監督、そして役者さん・・・
はい、とても良い記憶が無いカテゴリーに突入した気がする。

初級ならば初級に見合った、振り方、捌き方、足運び、間合いでしっかりを組み立てるべきではないだろうか。

殺陣についてアレコレ吐き出す